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「第7回多言語プレゼンテーション」を生配信しました

(2020年 3月 31日)

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3つ以上の言語を使い若者が社会へメッセージを発信する、多言語プレゼンテーションの様子が、3月17、18、19、21、22日の5日間、東京・渋谷のヒッポファミリークラブ本部からYouTubeでライブ配信されました。

2015年1月に始まったヒッポファミリークラブ主催の多言語プレゼンテーション大会「LEX Multilingual Presentation for Youth Tokyo」。このイベントには、高校生、大学生、留学生、若手社会人など、これまでにのべ約200人の若者が参加し、1,000人規模の会場で多くの聴衆にメッセージを発信してきました。3月1日にLINE CUBE SHIBUYAで開催を予定していた第7回大会は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、これに替わる試みとして、YouTubeでプレゼンテーション動画をライブ配信することになりました。

16歳から30歳まで、子育て中のママや留学生を含むプレゼンターが日替わりで登場。韓国、インドネシア、アメリカからも外国人の高校生と大学生が録画で参加し、総勢31人が自分自身の多言語体験や社会に届けたいメッセージを5分もしくは7分の持ち時間を使って熱く語りました。

今回から出場者の対象年齢を引き上げたことで誕生した3人のママプレゼンター。動画配信の2日目(3月18日)、2歳と3歳の子どもを持つ稲元茜さん(東京都・30歳)はそのトップを切って発表に臨みました。

「¡QUE PADRE! と共に生きる」、というタイトルのプレゼンテーションでは、17歳で1年間メキシコに留学した時の体験や、一方通行の人間関係に悩んでいた仕事や子育て、多言語環境に身を置くことで生まれた自分自身とお子さんの変化が、日本語、英語、スペイン語、韓国語などを織り交ぜて語られました。息子さんが「ありがとう」と言えるようになったエピソードや、「ありのままの自分を受け止めて子どもの今を見よう」というメッセージなど、ひとつひとのことばに思いを込めて体全体で力強く語りかける姿がとても印象的でした。

30歳を迎える人生の節目に参加を決意したという茜さんは、思いを「言葉にする」という作業が、どれだけ自分自身を理解することに繋がるか、前に進む力になるのか、思い知ったと言います。出場を決め、家族や仲間の応援を受けながら当日を目指したこの5ヵ月は、自分に向き合う貴重な時間となりました。終了後には、「今までで一番いいプレゼンができた思う」と大きな手ごたえを感じていました。

同じ2日目に登場したベトナム人留学生のドン・グェン・コイさん(神奈川県・20歳)は「MY JOURNEY TO MULTILANGUAGE」というテーマでプレゼンテーションを行いました。日本に来て日本語と英語以外の言語が必要な場面に遭遇したことで気づいた、さまざまな言語を学ぶ意義について、日本語と英語、ベトナム語を使って話しました。

高校時代は日本語と英語が話せればそれで十分で、他の言語を学ぶことに興味がなかったというコイさん。来日後の日本語学校でのクラスメートとの会話や、スタッフとして携わったラグビーワールドカップでの接客、日本語が全くわからないふりをして買い物をする試みなどを通じて、言語に対する意識が変わっていったそうです。今ではことばを学ぶのは点数や資格に関係なく「ただ友達と話をしたいだけ」と考えていて、日本人にも英語やそれ以外の言語でもっと外国人と話して欲しいと願っています。

コイさんは今回のイベントがYouTube動画のライブ配信になったことを知りすぐに参加を決意。カメラに向かって話すことには緊張したものの、大きな会場で2,000人を前に話すより落ち着いて言いたいことを伝えることができたと感じています。今春から日本の大学に通い始めるコイさんは、中国への留学も視野に入れているそうで、数年後には中国語も加えて再びこの多言語プレゼンテーションに挑戦してみたいと抱負を語ってくれました。

普段の生活で目の前にいる外国人とどう向き合えばよいのか、英語への苦手意識からそんな悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。動画配信の3日目(3月19日)に登場した塩入あかねさん(埼玉県・25歳)は、「好きより環境」と題したプレゼンテーションで、「言葉の壁」を解消するちょっとしたコツを披露。自作のイラストで作成した資料を使い、日本語、イタリア語、ドイツ語、英語、スペイン語、韓国語を織り交ぜてカメラの向こうの視聴者に情感たっぷりに語りかけました。

現在働いているレストランでのエピソード。来店した外国人客を前に、自分は英語がわからないのに相手は英語を話していているという思い込みから、同僚の前に突然「言葉の壁」が立ちはだかります。助けに入ったあかねさんが、相手は「Sunny」ではなく、「三人」と日本語で言っていることに気づき難なく解決しました。本人はその理由について、幼い頃からいろいろな国の人がいろいろな言葉を話す場面に出会うことができる環境(多言語の環境)にいたからではないか、と振り返ります。

いっぽうであかねさんは、自分が育った多言語の環境は決して特別なものではないとも感じています。すれ違った人からふと聞こえてくることばや街にあふれている看板、車中のアナウンスなど、まわりにはさまざまな言語があふれていて、それに気づくことで誰でも同じような環境に身を置くきっかけを作ることができると言います。「言葉の壁」に対する心構えについては、相手も同じ人間だと思って落ち着くことや、相手と意思疎通ができなくても落ち込む必要はない、と伝えました。

YouTube動画でプレゼンテーションをライブ配信することが決まった時は参加するか少し悩んだものの、こんな時期だからこそ見ている人に楽しんでもらえるような話をしたいと最終的に参加することを決めたそうです。皆に伝えたかったことを話し切った今回の経験は、将来何かをやり遂げる時の自信にもつながるのではないか、と大きな期待を抱いています。

プレゼンテーションの視聴者からは、「5日間すべての発表を聴きました。全員生きた言葉を話していたことが最も印象的です。異文化交流の新しい世界で皆さん「自分らしく」生きていかれることと思います。」、「色んな言葉を話せてすごいと思いました。かっこよかったです。自分から1歩踏みだす事の大事さがわかりました。」、「同じ育児をする母として、毎日忙しい中素晴らしいプレゼンテーションを完成させたのは本当に尊敬です。お疲れさまでした!」といったメッセージが寄せられました。

また渋谷にあるヒッポファミリークラブ本部でも昼休みを利用して多くのスタッフがライブ配信される動画に見入っていました。画面を通じてプレゼンターの表情が手に取るようにわかり、大きな会場で観るのとはひと味違った迫力があるという感想が聞かれました。

今回の多言語プレゼンテーションは、5日間の累計再生回数が約16,000回(2020年3月31日現在)と、当初開催を予定していたLINE CUBE SHIBUYAの収容人数2,000人を大きく上回る結果となりました。大学生を中心とした有志による実行委員を取りまとめてきたヒッポファミリークラブ本部の西澤暁彦さん(36歳)は、YouTubeによるライブ配信という新たな取り組みを行ったことについて、「予定していた会場で開催できなかったのは残念だが、若者の体験やそれに基づくメッセージを発信する場を実現することができ、ひとまず安心しています。オンライン開催まで日があったことで、各自が本当に話したいことをもう一度振り返る時間ができ、プレゼンテーションの内容がより深まったのではないかと思います」と話しました。

ヒッポファミリークラブでは若者達の「ことばの体験」から発信されるメッセージがより多くの人に届けられ、グローバル社会を生き抜くヒントやことばの壁を乗り越える力につながることを願っています。次回(第8回大会)も是非ご期待ください!

*YouTubeでライブ配信されたプレゼンテーション動画は下記から閲覧いただけます。
3月17日(火) https://youtu.be/isVpOmorH4Q
3月18日(水) https://youtu.be/7w-KmKUpB08
3月19日(木) https://youtu.be/BmjvwYJayBM
3月21日(土) https://youtu.be/Bf9nr8FmI9g
3月22日(日) https://youtu.be/Q3vh5A11pQM

 



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