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「第6回多言語プレゼン大会」開催レポート 

(2019年 3月 29日)

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2019年3月10日(日)、東京ビッグサイトの国際会議場で、16歳から25歳の若者30人が3つ以上の言語を使って社会へメッセージを発信する「多言語プレゼンテーション大会」が開催されました。

6回目の開催となる今回は、動画投稿による予選の結果、日本、韓国、アメリカ、モンゴル、中国、イタリア、メキシコの7カ国から、高校生16人、大学生・社会人14人が登壇。自らの言語体験や留学・国際交流を通じた多様な価値観への気づきや異文化を受け入れる感覚などについて、自分自身のことばで熱く聴衆に語りかけました。力強いことばと体全体から発せられるエネルギーで舞台と会場には一体感が生まれ、若者達の瑞々しい感性から生み出されるパフォーマンスは、集まった1,000人の聴衆に大きな感動を与えました。

審査は、言語学を専門とするマサチューセッツ工科大学のスザンヌ・フリン教授や、言語脳科学者である東京大学大学院の酒井邦嘉教授といった、各界の有識者や専門家などで構成された審査員団により行われました。

その結果、高校生部門は、日本語、英語、イタリア語、フランス語を使ってプレゼンテーションを行った、東京の私立高校に通うイタリア人留学生のアントニオ・ピロッディさん(タイトル「Evolving inside道」)が金賞を受賞しました。

ピロッディさんはイタリア語の歌と共に紋付き袴姿で登場。武士道について書かれた宮本武蔵の書を読んで日本に憧れ留学を果たしたいきさつや、日本の生活では食べ物や着物など、積極的に文化に親しみ、学校の部活では、将棋、剣道、茶道に挑戦していることを紹介しました。“日本人になりたい”という一心で、生活を送るなかでふと感じた、「日本人にあって自分に足りないものはなんだろう?」という疑問。ピロッディさんは、マスクやお辞儀といった、日本人にとっては何でもない日常の習慣から、他人を尊重する、という日本人の心底にある道徳心が、あの「武士道」に通じるものであるということを発見したのです。そして、その道に従うことが、自分自身をより成長させるのだと伝えました。

また、大学生・社会人部門は、大学の博士課程に通う青井勇輝さんが金賞を受賞しました。青井さんは0歳のときからヒッポファミリークラブの活動に参加しており、韓国、ロシア、カナダでの国際交流やフランスでの1年間の高校留学を経験しています。

「Nature×Nurture -多言語環境が心地いい!-」と題したプレゼンテーションでは、フランスの高校留学時に家族や友人との関わりの中でことばを自然習得した経験を、現在研究している植物の成長ホルモンに関する話と交え、6つの言語(日本語、英語、韓国語、フランス語、スペイン語、カタルーニャ語)を使って語りました。

その他には、高校生部門、大学生・社会人部門から、それぞれ銀賞2人、銅賞3人、審査員特別賞2人が選ばれました。表彰式では、審査員長の言語交流研究所・代表理事の鈴木堅史から各受賞者へ、記念のトロフィーと海外体験や留学などヒッポファミリークラブが提供するプログラムに利用可能な副賞が贈られました。

2015年1月、ヒッポファミリークラブの活動に参加して育った若者達が自らの多言語体験を世の中に伝える場として始まった多言語プレゼンテーション大会。そこに登壇した若者たちの合計は、今回でのべ約200人となりました。
イベントの企画運営は、立ち上げ当初から現在まで学生有志による実行委員会が担っています。今回はヒッポファミリークラブの本部スタッフなどを含めた17人の実行委員と、高校生と大学生、若手社会人を中心とする約60人のボランティアスタッフが力戦奮闘し、出場者を陰で支えました。プレゼンターとスタッフ全員の健闘を心から称えるとともに、このような大きな催しを皆で協力して作り上げた経験が、彼らの自信につながり、社会での今後の活躍に役立つことを願ってやみません。

次回の多言語プレゼンテーション大会「第7回 LMP Youth TOKYO」は来春を予定しています。言語交流研究所・ヒッポファミリークラブは、今後も多言語教育の素晴らしさをより多くの方に知っていただけるよう、志ある若者に参加していただくことを目指し、この多言語プレゼンテーション大会をさらに開かれた場にしていきたいと考えています。

<多言語プレゼンテーション大会「第6回 LMP Youth TOKYO」 開催概要>
※受賞者や審査員の詳細情報などはこちらをご覧ください。
■日   時:2019年3月10日(日)10:00~16:30
(高校生部門と大学生・社会人部門の二部制で実施)
■場   所:東京ビッグサイト 国際会議場(東京都江東区)
■審査基準:制限時間を厳守していること(高校生部門5分以内、大学生・社会人部門7分以内)
母語を含む3つ以上の言語を使った多言語プレゼンテーションであること
自分自身の多言語体験に基づいた、世界や社会に発信するメッセージであること
プレゼンテーションの工夫
■審査員:スザンヌ・フリン(マサチューセッツ工科大学 教授)、酒井 邦嘉(東京大学大学院 教授)など計15人

イベントの様子をまとめた公式ムービー(約3分30秒)を公開中です。
各プレゼンテーションのノーカット版映像も4月より順次公開します。
*第一弾 高校生部門 金賞 アントニオ・ピロッディさん 「Evolving inside道」
*第二弾 大学生・社会人部門 金賞 青井勇輝さん 「Nature×Nurture -多言語環境が心地いい!-」


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