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ワタシもヒッポ育ち!Hippo育ち

かわら版 / 第20号2015.06

30年前、私が2歳の頃から我が家にはいろいろな国の人がホームステイに訪れた。小中学生の頃は私自身が韓国やアメリカにホームステイに出かけ、高校では1年間アメリカに留学し、たくさんの人たちに出会ってきた。一般的にも特別な体験だが、中でもこの環境の最も大きな影響は、国籍関係なく幼少の頃から年齢・職業様々なたくさんの人たちに出会い囲まれてきたことだ。家族のように身近な人々が常に対等に接し、たくさんの問いや意見を投げかけてくれた。これこそが、ものすごい多文化環境だ。ホームステイも留学も受け入れの体験もそれぞれ周りの人たちなしでは今ほど大きな影響を与えていなかったと断言できる。現在はフリーランスで主に新規市場参入のマーケティングやPRを仕事としている。あらゆる場所に住んでみたくて世界のどこにいてもネットさえつながれば仕事ができる体制にし、これまで台湾、アメリカ、バリなどに住んだ。現地の人とルームメイトになり、同じご飯を食べ、同じことばを話し、そこの文化にどっぷり浸かった。今はバリの人と結婚し7世帯17人で暮らしている。バリではインドネシア語の他にバリ語が話されていてバリ語の中にも階級によって使い分けられる3種類の言語がある。そんな一見複雑なバリ語もすぐにまねをするおかげで、村中の人々を冗談で笑わせられる程になった。よく感じることは、多言語を話すということは多文化を持つということだ。多言語を話す上で最も大切なことは文化にもことばにも「開けている」こと。ことばに開けているから抵抗なく真似ができる。世界のどこにいても何語で話していても仕事の場でも遊びの場でも、文化に開けていることは得だと身を持って感じられる。ヒッポをつくったさかっちゃんの言う「国境はいずれなくなる」ということばが、今はよく理解できる気がする。そして、ぜひ報告したい。さかっちゃん、私、国境なくせたよ。
(平野奈津子/神奈川県・Natti F/バリ在住)