今はもう何もこわくない!~南半球・オーストラリア冬出発YL~|体験談|ヒッポファミリークラブ
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体験談・メンバーの声

今はもう何もこわくない!~南半球・オーストラリア冬出発YL~高校留学

柴田奏美(出発時:高2) / 東京都

私は南オーストラリア州のアデレードという町に約1年間留学した。出発時の空港では、家族や友だちと涙のお別れをし、アデレード空港に到着すると、私のホストファミリーが笑顔で迎えてくれた。その時には不安はもうほとんど消え去り、胸をどきどきさせている自分がいた。少し緊張しながら新しい家に向かった。私がステイさせてもらった家族はママと9歳の妹がいる家庭だった。オーストラリアは移民の多い国で多国籍なためなのか、現に私の家族もポーランド人だった。本当の家族のような存在になりたいという思いから、お手伝いからはじめ、毎日助けになるように努力に励んだ。ことばの壁もある中、家族になるという壁はさらに高く大きく、悩んだ時期もあった。それでも日々を重ねるごとに私の努力も認めてくれ、どんどん距離が縮まっていった。ママのバースデーに喜んでもらえるよう、サプライズのパーティーを企画して盛大に祝った。折り紙の輪飾りで家を豪華に飾り、ママの友だちを20人近く秘密で呼び、ピザ、ハンバーグ、誕生日ケーキなどのご飯も用意した。大盛り上がりでママもすごく喜んでいた。その晩、「奏美、ほんとうにありがとう。」と涙を流しながら言ってくれたママ。その時、私は家族の一員になれた気がした。私も泣きながら喜んだ。

学校には、ドイツ、ブラジル、中国、をはじめ世界各国からの留学生が多くいて、本当に沢山の友だちができた。最初は何もかもが新鮮で、毎日生活するだけで精一杯だった。日本みたいに留学生は特別扱いをしてもらえるわけでもみんなに紹介してもらえるわけでもなく、ただ授業にぽっと、いきなり入れられ、全く知らない相手にHi.と声をかけるだけですら、相当な勇気が必要だった。友だちと会話をするにもことばの壁はもちろんあった。頭の中でこれを言おう、と考えている間に話題が変わってしまっていることなんてしょっちゅうだった。授業はもちろん最初はちんぷんかんぷん、1ページを復習するのに夜中までかかった事もあった。それでも絶対自分に負けたくなかった。来る前に自分のベストを尽くす、と誓ってきたから。私の留学を認めてくれた両親、祖父母に。引退まで続けられなかった私に、頑張れって、本気で泣きながら送り出してくれた部活のみんな、そしてクラスのみんな、先生方のために。もちろん私の帰国と報告を楽しみに待っていたヒッポの人たちのために。辛いことがあるたびに、この留学は自分だけで造りあげたものではない事に何度も気づいては、元気をもらった。だから家族からや友だちからの手紙はいつも、本当に本当に大きな励ましになった。

私はこの留学という体験を通して、自分自身、本当に大きく変化したと思う。初めて会った人には挨拶もできなかった自分が、今では自分の意思までも伝えたいと思う。どんな人とでも、話す、触れ合うことが心から楽しいと思える。何事に対しても恐怖心を持っていたのが、興味に変わった。帰ってきて自分でも驚くほどだった。毎日向こうで必死にがんばった自分が今の自分の体から自然と出てくる。自分自身を見つめなおす機会も多く、自分探しの旅にもなったと思う。あり余るほどの自信もたくさんついた。この先、なにがあっても乗り越えていける自信が、今ならある。本当にYLに行ってよかった。