できちゃった!こどもと一緒にフランスへ|体験談|ヒッポファミリークラブ
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体験談・メンバーの声

できちゃった!こどもと一緒にフランスへ家族交流体験談

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小栗恵子・志織(1歳9ヵ月) / 神奈川県

今年の夏、1歳9ヵ月になる娘のしおりと、11日間のフランス家族交流に参加しました。しおりにとっては、大変な大冒険でした。フランスに着いた途端、彼女から出たことばは「かえるー!」。初めて言えた日本語でした。

私たちは、2軒のお宅にホームステイをしました。最初のお宅は、パパとママと16歳の高校生のフロラン君の3人家族でした。しおりは、パパを「トントン(フランス語でおじさんの意味)」、ママを「タタ(おばさん)」、フロラン君を「にーに」と呼んでいました。初日は泣いてばかりいたしおりでしたが、家族の皆さんがとても優しく接してくれて、特に、にーにはいつも遊んでくれていたので、次第に仲良しになりました。

ある時、数字の1から5までが書かれたおもちゃを使い、フロランとしおりが二人で遊んでいました。日本語が多少話せるフロランが、1を指さし「いち」と日本語で言うと、しおりも1をさし「いち」と言うという風に、「ご」まで数えていました。すると、フロランが、ママに「しおりはすごいんだ。4と5を入れ替えてもきちんと正しい方を指さして言うんだ」と自慢していました。その様子が、本当の兄弟の自慢をしているようで嬉しく思いました。

ステイ中は、毎日のように公園へ連れて行ってもらいました。ある日、砂場で3歳くらいの女の子数人が遊んでいました。しおりは、日本でするのと同じように、近くに行って女の子をじっと見つめました。すると、その女の子が持っていたスコップを貸してくれ、一緒に遊ばせてくれました。女の子は何かしおりに話しかけていましたが、しおりは無言で見つめているだけでした。これも日本と一緒でしたが、それはあまり問題ではないようで、一緒に遊んでくれました。こどもは、ことばが通じる前に遊び始めるんだなと感心しました。

家では猫とウサギを飼っていました。しおりは、猫のことを「にゃーにゃ、にゃーにゃ」といつも追いかけまわしていました。ウサギは、まだ日本語でも言えなかったので、飛び跳ねる真似をして表現していました。ある日、「もうお出かけするから、ラパン(ウサギ)にバイバイしておいで」としおりに言うと、タタタタッとウサギの所へ行き、手を振っていました。まだ発音はできない音でも理解していることがわかり、きっと他にもたくさんあるんだろうなと思いました。

しおりは、日本語もまだ単語をいくつかしか言えませんでしたが、生活の中で使っているフランス語を次第に真似するようになりました。出かける時には「オンリバー」、おやつがもう一つ欲しい時には人差し指をあげて「アンコー」、さよならは「バイバイ、オッバー」と言いうようになりました。

 

2軒目のホスト家族は、おじいさんとおばあさんの二人暮らしのお宅でした。しおりは、おじいさんを「じーじ」、おばあさんを「ばーば」と呼びました。最初のホスト家族が、2軒目のお宅に連れて行ってくれたのですが、別れ際「バイバイ」と帰っていくと、フロランが大好きになっていたしおりは、「いやー。にーに!」と大泣きし、しばらくぐずっていました。そのうちに、じーじがお庭の石を拾い、一緒に投げて遊んでくれるようになりました。すると、しおりは次々に石をじーじに運ぶようになり、じーじが両手を広げると、お膝に飛び乗ってお馬さんごっこをして遊ぶようになりました。人見知りのしおりがこんなに早く懐くのは初めてで驚きました。きっと、交流中多くの人に優しくしてもらったので、人との距離が近くなったのだと思います。

 

何もかもが違う環境の中で、しおりは初め不安がいっぱいだったと思います。でも、多くの人に可愛がってもらい、帰りの飛行機に乗る時のしおりの顔は、100点満点の笑顔でした。今でも、フランスでの写真やビデオを見ると「にーに、じーじ」と指さしたり、飛行機を見ては「のいたい(乗りたい)、のいたい」と言います。彼女にとって、全てが楽しい思い出に結びついているようです。

交流への参加を決めた時、私は楽しみと同じくらい沢山の不安がありました。12時間のフライト、時差、食事や病気など、幼いしおりを無事に連れて行ってこれるかという不安でした。行きのトランクには、オムツに日本食におやつと、しおりのための荷物をいっぱい詰めて行きました。しかし、ホスト家族のお宅に着くと、そこにはしおりのためのオムツとおもちゃを用意して待っていてくれました。国やことばを超えての優しさに、本当にありがたく思いました。

日本へ帰国後、とても嬉しいメールが届きました。最初のホスト家族から、「3年以内に日本へ遊びに行きたい」というものでした。たぶん、私たちと出会う前には全く予定になかったことだったと思います。ホスト家族と再会する時のことを思い、フランス語のCDを流し、しおりとフランスでの写真やビデオを見たりして、フランス語の音の中に漂っています。今しおりが一番お気に入りの遊びは、フランス語での自己紹介ごっこです。普段のファミリーで行なうように、マイクを使い「ボンジュー。サバ?」から始まり、写真を使って家族の紹介をします。まだ“ありがとう”が言えないしおりは、おもちゃなどを渡してあげると「メッシークー(Merci beaucoup)」と言います。今も続いているフランス家族交流が、私たちの生活を豊かにしてくれています。