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フランスで見つけたこと高校留学

守谷薫子

守谷薫子 / フランス・出発時:高2/東京都

フランスでの最初の授業の時、クラスのSylvioという男の子が私に「何かわからないことがあったら何でも聞いてね。助けてあげるから!」とフランス語で声を掛けてくれました。しかし、私はその時本当にフランス語が分からなくてきょとんとしてしまいました。私の表情を見て私が理解していないと気付いたようで、彼は英語で同じことを繰り返してくれましたが、私は“Thank you.”としか言えませんでした。そんな私にもSylvioは本当に優しくて、毎朝「薫子、元気?」と言ってくれたり、授業中もいろんな場面で私を助けてくれました。時間が経つにつれて私もフランス語がわかるようになって、話もできるようになっていったのですが、実際は自分ではその成長があまりわかりませんでした。

フランスでの生活もあっという間に過ぎてしまい、帰国直前の時に彼は私にこう言いました。「薫子、9月の一番最初の授業の終わりに僕が薫子に話しかけたのを覚えてる?あの時薫子は本当に何もわかってなかったよね。フランス語はまだしも英語も微妙でさあ。あの時はどうなるかと思っていたけど、今の薫子はこうして僕たちと同じように話してる。一体どうやって話せるようになったの?僕にはわからないよ!」彼のこのことばを聞いた時、私は自分がそんなにフランス語を喋れるようになっていると自覚していなかったのでとても驚きましたが、やっぱり嬉しい気持ちでいっぱいになりました。そして、知らない間に自分の中にフランス語が溜まっていたことや、友だちや家族のことばを真似して使っていたことに気づきました。

日本に帰ってからもテレビからフランス語が聞こえてきたりして、それが不自然に聞こえると「あ、この人はフランス語を勉強したんだな」とことばの波の違いがわかります。これは、フランスでフランス人からフランス語を吸収してきたからこそ気付けることだと思うし、YLに行く前から聞いていたCDも今は「音」から「ことば」に聞こえるようになって、とても不思議な気分です。YLに行く前の私のイメージでは、ある一定の期間、たとえば半年が過ぎたあたりから何でもわかるようになって話せるようになるのだと思っていました。だけど実際はその「ある一定の期間」というものなどはなくて、半年過ぎたって、帰国の1ヵ月前、1週間前、1日前になっても必ず私の周りには何か新しい発見があって、しかもそれを自分のことばにすることが可能だということに気がついたのです。それは帰国後の今だって同じだと思います。私はヒッポの「多言語の環境」を大切にすることの意味がとてもわかるようになって帰ってきました。楽しいこと、嬉しいこと、つらいこと、悔しいこと、さまざまなことをたくさん感じた10ヵ月の中で私はたくさんのことを得ることができました。これからは日本でも私のイヤロンを続けて、さらに成長していけたらな、と思います。