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今ならこんなに面白い日常活動

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荒井祥子 / 札幌市・主婦

私は独身時代にイギリスの伝統工芸シュガークラフトに興味を持ち、本場の技術の習得のため3カ月間現地でホームステイした。その間オックスフォード大学の外国人向けの短期講習も受けた。ところがステイ先のご主人のスコットランド訛りはもとより、大学へ行っても、アフリカ、メキシコ、中国等様々なクラスメイトの話している英語が英語には聞こえない。私はちゃんとした英語を話すイギリス人の友達が欲しくて、レベルを上げるために図書館で勉強を始めた。でも会話は一向に上達せず、ノリの悪い私に声をかけるクラスメイトもいなくなった。楽しそうに盛り上がっている彼等を横目に「元々英語ではなくシュガークラフトをやりに来たのだから・・・」とイギリスを後にしたのだった。

その後結婚して出産。この子には英語で惨めな思いをさせないようにとヒッポを始めた。家でコロンビアの男性の受け入れをした時、ヒッポで覚えたスペイン語の自己紹介をしたら優しく聞いてくれた。嬉しくてもっと話がしたいと思い、気づけば英語で会話をしていた。彼の英語も訛ってはいるとは思うけど、全部理解できた。その時に気がついた。私は英語で惨めな思いをしていたのではなく、ちゃんとした英語にこだわって、相手を受け止める気持ちがなく、意思疎通ができなかったのだということに。

ヒッポを始めてから変ったのはそれだけではない。海外の団体客に人気の観光スポットに行くと、前にはわからなかった北京語と広東語と台湾語の区別ができようになっている。通訳の人の声が聞こえてくるといつものヒッポの癖で小声で真似をしている私。そうすると何となく言っていることがわかる。以前はわかるはずもないと思い込んでいたが、そこに知っている音が聞えてくれば儲けもの。ことばの全体の風景がぽぽぽんと浮かび上がる。

ヒッポで子育ての視点も変わった。上の子の時には考えもしなかったが、今は下の子たちの泣き声や、赤ちゃんことばの変化までもが面白い。ちょっと前までは、何でも「あちち」と受け取っていた三男が、今では本当に熱いお碗の時だけ「あちち」と言い、「フーフー」と吹く真似をする。いったいいつの間にわかるようになったんだろう。そんな当たり前のことにも驚きを感じる日々である。