ルーマニアからインターンとしてヒッポで活躍|体験談|ヒッポファミリークラブ
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体験談・メンバーの声

ルーマニアからインターンとしてヒッポで活躍日常活動

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Angela Pugna / fromルーマニア

私は東ヨーロッパのルーマニアで生まれ、小さい頃から家族とフランスやイタリアへ旅行をしていたけれど、その頃夢中だったテニスのこと以外は何も興味がわきませんでした。ことばもルーマニア語が話せれば困らないから、ヨーロッパの他のことばへの興味もありませんでした。

 12歳の時、村上春樹の作品を初めて読みました。今までとは別の、初めて知らない世界に触れた気がして感動しました。それがきっかけで、日本という国に行ってみたいと強く思ったのです。思いが通じて5年前、ルーマニアでは初の高校生での留学となったのです。それを日本で受けてくれたのが、ヒッポのプログラムでした。でも、来てみたら本当にことばがわからない、習慣も違う、電車にも一人で満足に乗れない、何もできない世界に飛んできてしまったようでした。ホストファミリーのママは「せっかく日本にいるのだから、日本語で話してごらん」と言います。でも、わからないことばを話すのは嫌・・・そう思うと、なかなか日本語が話せませんでした。

 ホストファミリーには、妹が二人いました。その一人が毎日必ず食べるものがあって、それが気になるんだけど、ことばがわからないから聞けない・・・。その後ことばが話せるようになってからも、聞いてみたいけど家族の中では彼女しか食べていないから、もしかして薬かな?だったら聞いたら失礼かなと思うとやっぱり聞けませんでした。そんなことで毎日見ているのに、毎日「聞けない」と思ううちに1年が経ってしまったのです。ルーマニアに帰国して、私の1年はどうだったか考えました。少し日本語は話せるようになったのと、10Kg太っただけ。全然成長していない・・・。どうしてももう一度日本でチャレンジしたくて、もう1年留学できることになりました。

 新しいホストファミリーは、7才のこどものいる家族でした。着いたその日にこどもが食べていたものは、前に来てずっと聞けなかったあの食べ物!何も考えずに「これは何?」と聞くと「納豆だよ。食べる?」って返ってきて、食べてみたらすごく美味しかったんです。こんな美味しいものを1年間も食べずにいたなんて、すごくもったいないことをしたと思ったのです。だからこそ、今度はもうそんなことはしない!って決めました。

 3度目の日本は、インターン生としてヒッポに来ました。そして、ルーマニアからお父さんが初めて日本に遊びに来てくれました。奈良へ遊びに行った時、ヒッポのメンバーが私たちを案内してくれたのですが、ルーマニア語しか話せないお父さんとずっと話しているんです。私には「ルーマニア語で“何?”って何て言うの」と聞くので「“チェ~?”だよ」と教えると、ヒッポの人たちは何を見ても「チェー?」って。観光の途中、たくさんの鹿を見ては「チェー?」。お父さんが「カピオラオ」と教えると、その後は鹿を見るたびに「カピオラオー!」と言い合って、この日、何十回言ったかわからないくらい。ジェスチャーを交えながら「ルーマニア、~~~チェー?(ルーマニアでは何を食べるの?)」などと、お互い話が弾み楽しそう。そんなお父さんの、こどもの様に喜ぶ姿に驚きました。人はこどもっぽい部分を出すと友だちになれるけど、大人になるとそれがだんだん出せなくなるのかもしれません。私は、村上春樹の世界が見たくて日本に来たけれど、気がついたら「ヒッポの世界」に飛んできてしまいました。でもそのおかげで、いろんな国を見てみたい、いろんなことばをみつけて、その新しいことばをみつけながら、新しい自分をみつけていきたいと思うようになりました。人間はどこまで大きくなれるのか、私の出会った「ヒッポ人」たちは、そんなことを私に教えてくれました。母国ルーマニアのヒッポ人たちが来てくれることが楽しみです。