中村 桂子

中村 桂子
生命誌/JT生命誌研究館名誉館長
(一財)言語交流研究所 協力者
生命誌/JT生命誌研究館名誉館長
(一財)言語交流研究所 協力者
⚫︎ヒッポ創設者との出会い
世界中のどこでも、公園で遊んでいる子どもは自然にそこで話されていることばを覚えていきます。地球上にはさまざまな言語があるので、その違いの方が気になりますが、本質は同じ。素直に向き合いさえすれば、すべての言語が私のものであるはずです。今はあたりまえと思っているこの考え方を教えて下さったのが、ヒッポの創設者である榊原陽さんです。
私が専門とする「生命誌」では、「人間は生きもの」ということを基本におきます。生きものは、多様でありながら祖先を一つにする仲間ですから、榊原さんにことばの話を伺った時、「生きもの」と「ことば」は重なっていると思いました。
榊原さんは、「ことばを科学する」ともおっしゃいました。生命誌も「生きものを科学する」です。ここでの科学は、対象を要素に分析して理解するだけでなく、「生きもの」や「ことば」の本質を捉え、それを表現し、日常に活かしていくことを含んでいます。
私が専門とする「生命誌」では、「人間は生きもの」ということを基本におきます。生きものは、多様でありながら祖先を一つにする仲間ですから、榊原さんにことばの話を伺った時、「生きもの」と「ことば」は重なっていると思いました。
榊原さんは、「ことばを科学する」ともおっしゃいました。生命誌も「生きものを科学する」です。ここでの科学は、対象を要素に分析して理解するだけでなく、「生きもの」や「ことば」の本質を捉え、それを表現し、日常に活かしていくことを含んでいます。
⚫︎「生きものとしての人間」と「ことば」
人間は自然を支配していると言う考えのもと、拡大・進歩を求めてきた現代社会は行き詰まり、新しい世界観(価値観)をもつ社会をつくっていかなければなりません。それは、「生きものとしての人間」をよく知り、生きものとして心豊かに暮らす社会であり、そこでは「ことば」を大事にします。
ことばには二面があり、一つは考えることを支える役割、もう一つはコミュニケーションの道具です。心の中で静かに深く考える力と、大勢の人とつながる力とが総合された時、創造力が生み出されます。そこから、一人一人がいきいきとし、皆がお互いを思いやる社会ができていくのではないでしょうか。
単に大量のデータを集め、アルゴリズム、確率、統計という、ことばの本質とは無関係な方法で生み出された、AIが発する「ことばもどき」が氾濫し始めています。危険です。本当のことばで考え、語る、本当の生きものとしての人間がつくる心豊かな社会を求めての活動を、一緒に進めていきたいと思っています。
ことばには二面があり、一つは考えることを支える役割、もう一つはコミュニケーションの道具です。心の中で静かに深く考える力と、大勢の人とつながる力とが総合された時、創造力が生み出されます。そこから、一人一人がいきいきとし、皆がお互いを思いやる社会ができていくのではないでしょうか。
単に大量のデータを集め、アルゴリズム、確率、統計という、ことばの本質とは無関係な方法で生み出された、AIが発する「ことばもどき」が氾濫し始めています。危険です。本当のことばで考え、語る、本当の生きものとしての人間がつくる心豊かな社会を求めての活動を、一緒に進めていきたいと思っています。