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ヒッポのある生活コラム

子どものために探した環境で、大人の私が育っていた


T・A(30代)/東京都
現在入会して1年弱。妻と、5歳、3歳、8ヵ月の子どもと5人でヒッポを楽しんでいます。

今年の夏、初めてのヒッポの交流で「モンゴルゲルネイチャーキャンプ」に参加してきました。

⚫︎入会前:子どもには、違う「ことばとの出会い」を

私は今では、英語でコミュニケーションを取ることへの抵抗がなくなってきました。でも、それは大人になってから学び直したからです。学校で英語を勉強していた頃は、いざ人を目の前にすると全く話せず、ずいぶん苦労しました。

だからこそ、子どもが生まれてから、「自分と同じように学校で英語を勉強するだけではなく、もっと自然に、楽しくことばと出会える環境を見つけたい」と考えるようになりました。

そんな気持ちでいろいろと探す中、出会ったのがヒッポでした。

⚫︎入会後:「ことば」だけではない場所だった

最初は、「多言語」という考え方に惹かれて入りました。

でも、入ってみて驚いたのは、そこにあったのが単なる語学学習の場ではなかったことです。うまく話せても、話せなくてもいい。年齢も立場も関係なく、その人をそのまま受け止めてくれる。そんな場はなかなかありません。

子どもたちも初めて参加したときから、驚くほど自然にその場に入り、みんなのことが大好きになりました。

仲間と出会い、いろいろな世代の人と関わり、ホームステイを通して世界に飛び込んでいく。「ことばを身につける」こと以上に、人そのものが育っていく環境なのかもしれない。

半年間過ごす中で、そう感じるようになりました。

⚫︎半年かかって、やっと「音」が入ってきた

一方で、私自身にとってヒッポの多言語の環境は、最初から心地よかったわけではありません。

『意味の分からないことばを、分からないまま聴く。』正解を知り、意味を理解してから覚える学び方に慣れてきた大人の自分にとって、これは意外なほど難しいことでした。

それでも半年ほど続けていると、少しずつ変化がありました。意味が分からなくても、音を音のまま楽しめるようになってきたのです。

「分からないものを、分からないまま受け取ってもいい」

これまで身につけてきた「こうやって学ぶもの」という枠を手放していく。大人にとってのアンラーニングの難しさと、その大切さを実感し始めた頃、モンゴル交流*に参加しました。

⚫︎モンゴルで、大人の私もホームシック?!

実は私にとって、モンゴルの草原を訪れるのは今回が4回目。草原も、ゲルも、人々の暮らしも懐かしく、まるで故郷に帰ってきたような感覚がありました。

でも、今回のモンゴルはこれまで(過去3回)とは違いました。

子どもや自分の家族がいない環境は本当に久しぶりで、成田空港では実はホームシックになっていました。空港では、他のお父さんたちが子どもと一緒に参加しているのを見て、「自分も子どもと一緒に来ればよかった・・・」と寂しくなりました。

しかしヒッポだったからこそ、少しずつ馴染んでいき、子どもがいない分、参加したこどもたちとの時間にすべて集中して、いろんな子どもたちにも友達になってもらえました。

また、驚いたのは一緒に参加したヒッポの青少年たちです。交流の場になると、堂々と自己紹介をし、自分のできることで日本の文化を紹介する。ホームステイの対面式では、一人ひとりが現地の家族に温かく迎えられ、それぞれの家庭へと出発していきました。

知らないことば、知らない文化、初めて出会う家族ー。そんな環境に、自分の足で飛び込んでいく青少年たちの姿は、とても頼もしく見えました。

そして今回は、私自身も彼らと一緒に笑い、遊び、挑戦し、思いっきり同じ時間を過ごしました。大人として子どもたちを「見守る」のではなく、気づけば一緒に旅をする対等な「仲間」になっていました。それも、今回の交流で得た大きな喜びでした。

子どもにいろいろな経験をしてほしいと思ってヒッポに入った私にとって、青少年たちの姿は、この環境の中で人が育っていくことを目の前で感じさせてくれるものでした。

⚫︎ホームステイで「ことばをもらう」

そして、モンゴルでのホームステイを経験して、更に変化がありました。

(モンゴルの草原にて)

ホストファミリーには日本語を話せる方がいましたが、家族同士の何気ない会話になると、そこには自然なモンゴル語が飛び交っています。教科書や音源ではなく、目の前にいる人たちが、笑ったり、何かを伝えたり、日常を過ごしたりする中で生まれる「生の音」

その音の中で一緒に暮らしていると、モンゴル語がどんどん楽しく聞こえるようになってきました。そして、聞こえてくるモンゴル語の音に、ヒッポでやってきた「メタ活*」のことばが自然と重なってくる。

「ああ、これが“ことばをもらう”ということなのかもしれない」

意味を一つひとつ理解して覚えるのではなく、人と出会い、一緒に過ごし、その人たちの生きたことばに触れる。その中で、音が少しずつ自分の中に入ってくる。

ホームステイを通して、ことばは「勉強して覚えるもの」だけではなく、「人からもらうもの」でもあるのだと、初めて実感することができました。

こんな経験をしてしまうと、もう普通の旅行には戻れない気がします。これからは、その土地の暮らしに触れ、人とつながるホームステイを通して、世界中に「帰る場所」を増やしていきたいと思います。

⚫︎帰ってきてからも、交流が続く場所

そしてヒッポの面白さは、帰国して終わりではありません。

経験したことを話すと、何度でも聞いてくれる仲間がいます。話すたびにモンゴルでの時間をもう一度味わい、自分でも気づかなかった発見に出会う。交流の経験が、帰ってきてからも育っていくのです。

人と出会い、受け止めてもらい、自分もまた誰かを受け止める。そんなつながりは、子どもの成長を支えるだけでなく、大人にとっても人生を豊かにし、「生きがい」につながっていくのだと思います。

子どものために探し始めた環境で、気づけば私自身も、新しいことば、新しい仲間、そして新しい自分に出会っていました。そして親として、いろいろ経験させたいという気持ちはありつつも、決して強制はせず、子どものタイミング、決断を尊重するだけでいいのだと改めて感じました。

子どもたちが背中をみて真似できるよう、自ら未知の世界へ飛び込み、自分自身が挑戦しつづけていきたいと思います!

*モンゴルゲルネイチャーキャンプ交流:4泊のゲルキャンプと2泊のホームステイが体験できる交流プログラム。赤ちゃんから大人まで参加できます
*メタ活:みんなで一緒に、多言語を(音楽のように)歌うこと
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