教育講演会「7ヵ国語で話そう」

当日のプログラム
スザンヌ・フリン教授の研究結果
スザンヌ・フリン教授は30年に渡る多言語についての研究成果を以下の10項目にまとめ、それぞれについてお話されました。
ことばについて10の基本的なこと

スザンヌ・フリン教授は、「人間のことばを獲得する能力は無限大であり、いわゆる臨界期と言われるようなものはなく、何歳になっても新しいことばを獲得することが可能」であるなど、最新の言語研究から明らかになってきたことについて英語でお話されました。

スザンヌ先生の写真

続いて酒井邦嘉准教授が最新の脳科学の研究から、MRI装置の原理やその研究方法、そして具体的にどのような実験をするのかを映像を交えて分かりやすくお話してくださいました。
その中で、ことばの違いによらず、脳の中ではあらゆる言語を処理する場所が同じであるというお話があり、これはまさしくフリン教授の「2.基本的に人間のことばは一つ」であることを脳科学研究の立場から立証することにもつながる大変興味深いものでした。また、最近の研究では、さらに細かく文法を処理する場所、音韻を処理する場所、単語を処理する場所などがはっきりしてきており、将来的には「脳の言語地図」が描けるようになるであろうというお話など、最新の脳科学研究の成果を披露していただきました。

酒井先生の写真

その後、ヒッポファミリークラブのさまざまな年代のメンバーが登場し、多言語を交えて楽しんでいる様子をお話しました。
今回は「多言語で子育て」ということもあり、特に家族で楽しんでいるメンバー、その中で育ってきた子どもたちに焦点を当てて登場してもらいました。小さい頃から多言語環境の中で育ってきた高校生、大学生はそれぞれ3ヵ国以上の複数のことばで体験談を話し、「世界」を視野に入れた将来の夢なども語ってくれました。

活動紹介写真

パネルディスカッションでは、各界で活躍される方々が登場し、フリン教授、酒井准教授にも加わっていただいて、
それぞれのお立場から「ことばと人間」というテーマに沿った貴重なご意見をいただきました。

活動写真まとめ

今後もこのような機会を設け、これからの言語教育について、そして広い意味で人間の育つ環境とは何か、
ということについて考えていきたいと願っています。